ツーバイフォー住宅は、床・壁・天井がパネル状の面で構成されています。これらのパネルを使って6面体に組み立てることで、建物全体が一体型の強固なモノコック構造となります。建物を各面で支えることにより、地震や台風などの荷重を全体で受け止めて衝撃を分散・吸収し揺れを防止します。つまり、軸組工法のように外力を柱の接合部分などのーカ所に集中させることがないので、建物のねじれ・変形・倒壊を防ぎます。これが、ツーバイフォー住宅が大きな地震に対して強度を発揮する理由です。
従来の軸組工法は木材の収縮によって隙間ができやすく、荷重を支える部分が凸部分しかないため欠損の可能性が大きくなります。
また、梁を真横から支え合うので柱にかかる負担が一点に集中します(金属プレートなどの補強をしても基本構造は変わりません)。
しかし、ツーバイフォー工法は木材を欠損させることなく壁面に対して均一に荷重が分散されるため軸組工法よりも高い強度を可能にしています。
ツーバイフォー構造の6面体の各面は、枠組材と構造用MDF(木質繊維板)が一体化した「ダイヤフラム」と呼ばれる強い構造体で構成されています。ダイヤフラムにより構成された6面体構造は水平・垂直いずれの方向からの力にも強く、地震などの荷重に対しても家のねじれを防止し、倒壊や変形を防ぎます。
観測史上最大のマグニチュード9.0と震度7を記録した東日本大震災。
(社)日本ツーバイフォー建築協会では地震発生から約1ヶ月半後に被災地域でツーバイフォー住宅の現地調査を実施しました。その結果、当面補修をしなくとも居住に支障のない住宅は19,640戸で95%でした。津波による被害を除けば、当面補修をしなくとも居住に支障のない住宅は98%を占めており、阪神淡路大震災や新潟県中越地震でも判明したツーバイフォー住宅の高い耐震性が苦しくもまた実証された結果となりました。